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避難所での高齢者対応マニュアル(避難所生活)

避難所生活 高齢者 対応マニュアル
避難所生活 高齢者 マニュアル 印刷用PDFデータはこちら(A4サイズ 3.7MB)
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 高齢者、特に要介護高齢者における被災後の潜在的な能力の喪失を予防し、維持することが重要です。また、被災高齢者の脱水による体調不良はよく見られるものの見逃されがちであり、脳卒中や心筋梗塞など様々な病気の引き金になることから、避難所スタッフと被災者の皆さんが協力し高齢者を見守ることが必要です。
避難所 高齢者 給水対応
 災害時、水は避難所に届いていましたが、寝込んだ高齢者が自ら水を取りに行けず脱水症状を発症しました。確実に口元まで運ぶ支援が高齢者の命を救います。
高齢者 脱水症状 理由
 避難所でトイレの際、雑魚寝している間を通ることに気を遣い、水を我慢して脱水症状になる高齢者が多くいました。トイレに行く時は声を掛けて誘ってみましょう。
声を掛け合う 災害関連死 予防
 高齢者は体調不良の自覚症状が乏しく、周囲も気づきにくい為、医療者だけでなく、避難所スタッフやボランティアも積極的に高齢者へ声を掛け、異変に気づきましょう。
情報 救える命 高齢者 避難所
 携帯型カルテが大いに役立ちます。このカルテが診療情報として適切な医療処置へつなぎ、高齢者の命を救いますので、常に医療情報をつないで行きましょう。
災害時 スタッフ ボランティア 取り組み
避難所 レクリエーション ストレス 軽減 みんなで交流
 避難所内で高齢者を集め「お誕生日会」を開くなど、レクリエーションを積極的に行いましょう。
人との交流で気分が晴れ、ストレス軽減に役立ちます。
高齢者同士 手伝い 役割 高齢者同士でお手伝い
 人材として活躍させることは、人に役立つ気持ちと相手から感謝され、気持ちに快活さを与えることへつながり、元気の源(みなもと)になります。
散歩 体操 高齢者 高齢者を誘って散歩や体操
 散歩や体操などの運動は、循環器管理と精神面管理を兼ねることにつながります。定期的に行い参加してもらいましょう。
リハビリを中断させない リハビリを継続する
 続けていたリハビリを中断し1週間寝込んでしまった場合、10〜15%の筋肉量が減少し虚弱化します。可能な限り身体を動かす様に促しましょう。
避難所 仮設住宅 安心できない
孤独死 サバイバーズギルド 注意 高齢者 悲観 喪失 虚無感
 悲嘆・絶望・罪責など、自分だけが生き残ったこと、家族を救ってあげられなかったこと(サバイバーズ・ギルト)、への反省や虚無感から、気力喪失や自殺企図に繋がることがあります。
 いつもと様子が違うと感じたときは、医師や保健師に相談してください。
潜在的な能力の喪失 認知機能の低下を予防
 認知機能低下~廃用性(生活不活発病)の前触れとして、毎朝顔を合わせて挨拶することがなくなったなど、周囲への意識が薄れている様子が感じられた時には医師や保健師に相談してください。
災害時 ストレス 心血管死亡 発生時刻
 阪神・淡路大震災ではストレスによる脳卒中や冠動脈疾患・突然死の発生時刻が、午前5時から11時に多いことが分かりました。 午前5時〜11時の間に多発
 このような震災関連死のきっかけになる血圧上昇や地震後のストレスと心血管疾患誘発の起因としては「不慣れな生活(避難所などの集団生活)」、「服薬や通院の中断(医療機関の被災)」が挙げられています。
 主に、脳卒中、急性心筋梗塞、たこつぼ型心筋症、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)、持病(既存疾患)などが誘発されます。
医療機関 災害 病気 誘発
災害関連疾患と発生期間
災害関連疾患と発生期間を示す図
高齢者災害医療支援情報
 一般社団法人日本老年医学会では、被災高齢者の体調や持病の管理における注意点などをホームページで掲載しています。避難所スタッフやボランティア、被災者リーダーの方々は「一般救護者用災害時高齢者医療マニュアル」(PDF)と「高齢者災害時医療ガイドライン 試作版」(PDF)を掲載してありますので、上手くご活用ください。 高齢者災害医療支援ページ
高齢者災害医療支援ページ
http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/saigaisien/index.html
非難生活 健康維持 必修事項
食事 遠慮させない
 小さなお子さんに気遣って食事を遠慮したり、慣れない環境で食欲が低下しがちです。配給された食事はしっかりとり、ゼリー飲料や栄養加工食品を積極的に食べてもらいましょう。また、食事の際は横にならず、座るか身体を起こすことで、むせを予防できます。飲みこみにくい方には、食品を変えたりして対処しましょう。
同じ体勢を避ける 足の指を動かす 水分補給 エコノミー症候群 予防
 避難所や車中で寝泊まりするなど、長時間同じ姿勢で足を動かさないでいると、エコノミークラス症候群のリスクが高まり、大腿から下の脚に発赤、腫長、痛みが出現し、胸痛、息切れ、呼吸困難、失神等の症状が現れます。高齢者は特に注意する必要があり、歩いたり、足を動かす体操、水分の補給などを心がけましょう。

エコノミークラス症候群予防 体操

手洗いやうがいを徹底・加熱食品を食べる
 避難生活の疲労で弱ってくると、体調をくずしやすく、お腹をこわしやすくなります。食事の前やトイレの後には手をよく洗い、備えつけのアルコールスプレーなどで消毒の徹底をしてもらいましょう。
 配給された食品やその他の食品の賞味期限を確認し、期限の過ぎた食品はもったいなくても食べさせないようにしてください。また、生ものを避け加熱食品を選び、弁当などは保存状態によっては傷みやすいため、食べる前に異臭や異常がないか確認し、少しでもおかしいなと思った時は、係の人や避難所スタッフに知らせましょう。
体調 巡回医師へ相談
 ストレスなどで少しでも体調が悪い時は我慢させず、医師や避難所スタッフに相談しましょう。特に高血圧や糖尿病で普段から食事療法中の方、食べ物が飲み込みにくい方、義歯の状態が悪い方は、必ず相談させてください。
監修:飯島勝矢 東京大学高齢社会総合研究機構 教授 飯島勝矢東京大学教授
東京大学大学院医学系研究科加齢医学講座講師、米国スタンフォード大学医学部研究員を経て、現職。一億総活躍国民会議 有識者民間議員にも就任。日本老年医学会高齢者災害医療小委員会委員。
専門:老年医学,老年学(ジェロントロジー:総合老年学)、特に(1)千葉県柏市をフィールドとする課題解決型実証研究(アクションリサーチ)を基盤とした長寿社会に向けたまちづくり、(2)フレイル(虚弱)予防~介護予防の臨床研究、(3)在宅医療に関する推進活動と臨床研究、およびその大学卒前教育や多職種連携教育。
災害時高齢者医療に関しては、阪神淡路大震災(1995年)から東日本大震災(2011年)までの震災後の避難現場において医療班として支援活動を経験。
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