参加企業

株式会社NTTドコモ

地域包括ケアにおけるICTインフラの整備

5G・IoTビジネス部
社会イノベーション推進
榊原 拓磨 氏

地域コミュニティをベースとした地域支援サービス全体イメージ

現場は生きた知識/発見の宝庫

私とIOG様のお付き合いは2015年から始まりました。当時は弊社の新たな高齢者向けICTサービスを企画開発するという趣旨の下、IOG各研究分野の先生方から様々な最先端の知見/ノウハウを勉強させていただきました。2018年には「ICTを活用した住宅防災支援システム」のシステム開発業務を弊社へ委託いただき、超高齢社会に求められるICTインフラの在り方について、ドコモとして何ができるかを考える機会となりました。

一方、私は介護付き有料老人ホームでの実証実験や、試作機を用いた過疎地域等でのニーズ検証活動、高齢者向け新サービス企画開発業務等のあらゆる現場経験を経て、本当に困っている方達の現状/悩み/生の声に直接触れたことで、私は超高齢社会の課題を解決したい(しなければならない)という使命感を強く抱くようになりました。
2020年初夏、様々なご縁の繋がりで「7月からIOG共同研究員をやってみないか」というありがたいお誘いをいただき、大変貴重な機会として私は直ぐに快諾のお返事をいたしました。

弊社社員は通常、業務を通じて高齢者の方達と深く関わる機会が少ないため、実証実験等の現場体験で気付きを得る事が沢山あります。例えば、個人差はありますが、高齢者は手が乾燥しがちなので、タブレットの操作がうまくできない等、現場に出ることで初めて分かる課題やニーズがあり、自身の新たな知識/糧となります。また、困っている人の実態がダイレクトに伝わってくるため、現場はまさに生きた知識/発見の宝庫です。自分達のICT技術をもっと簡単に、もっと便利に使ってもらうためには何をすればよいかを考えるためのヒントを沢山与えてくれます。

今、私が進めている研究活動は、柏市豊四季台地域におけるICTを活用した生活支援/地域ネットワークの構築です。2025年までに、地域の多様な活動主体(行政・市民・団体・企業等)が協働する地域ネットワークの展開/浸透を目指し、あらゆる困りごとやニーズをワンストップかつシームレスに解決する仕組みづくりに取り組んでいます。

誰もが最期まで幸せに生き切る事ができる社会を目指して

共同研究に参加して感じる最大のメリットは、産官学の枠組みを越えて、同じ志を持った方々とダイレクトに繋がり、情報交換ができることです。通常、会社業務を通じてこれだけ多くの企業様や自治体様と出会うことは決して容易な事ではありません。しかし、IOGの枠組みがあれば、定期的に出会える機会があり、お互いがフラットな関係です。表面的な意見交換ではなく、軸となる考え方や将来展望まで気軽に話し合える関係性で居られることは、とてもいい環境だと思います。私はジェロントロジー・アカデミーに毎回参加していたため、様々な方達との人脈を広げることができました。単なる名刺交換ではなく、グループワークやディスカッションを通じて相互理解を図り、顔の見える関係性を築けたことは大きな財産になりました。
超高齢社会に新しい価値を提供するためには、もはや一社単独では限界があります。このため、同じ志を持った異業種異分野の仲間同士の知識/連携が必要不可欠であり、その広大な分野/領域を体系立てて学べるIOGの価値は、素晴らしいものだと思います。

私の目標は、誰もが最期まで幸せな人生を生き切る事ができる社会を実現することです。IOG様の貴重な研究ノウハウをはじめ、参加企業様/自治体様の専門技術やノウハウ、弊社ICTテクノロジーをそれぞれ繋ぎ、目標の実現に向けて一歩ずつ前進することが、現在共同研究員として従事する私の大きな使命だと考えています。

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