シニアのためのおうち時間を楽しく健康に過ごす知恵 シニアのためのおうち時間を楽しく健康に過ごす知恵

高齢社会総合研究機構
教員・研究員からのリレーメッセージ

高齢社会総合研究機構の医学、工学、社会学、情報学など様々な専門分野の教員・研究員より、「いま、伝えたいこと」をリレーメッセージとして掲載します。

第13回

新しい生活様式に彩を

乾裕之 乾裕之 東京大学 高齢社会総合研究機構 寄附プロジェクト担当研究員/イオン株式会社

新型コロナウイルス感染症拡大により不安な毎日をお過ごしかと思います。日本では緊急事態宣言が解除されるも、5月30日には世界の1日の新規感染者数は13万4000人を超え、過去最多を更新したとの報告がされました。感染症のリスクを思い知ってしまった我々が、日々のくらしで「いまできること」は何でしょうか。

例えば、仕事や趣味の活動が思うようにできない中、ちょっと仲間に電話してみるところから始めたら次はビデオ通話に挑戦してみると意外な気づきがあるかもしれません。今まで「なんとなく面倒かも」と思っていたスマートフォンに挑戦するいい機会でもあります。現金でのお買い物に衛生面の不安があれば、キャッシュレス決済を信頼できるところから始めてみるのもいいでしょう。

おうち時間が増えて、食事の楽しみ方も広がったのではないでしょうか。レストランのテイクアウトから産地直送の通販まで、様々なサービスの人気が高まっています。店舗での日常のお買い物では、素早く済ませるために事前に計画を立てておくことが厚生労働省から推奨されていますが、一方では五感を働かせてその場で気になった食材を手に入れ、後から献立を考えるということも私はよくやっています。昨日は大葉がまとめ売りされているのを見つけたので、ナスのみそ炒めにどっさりと加えてみました。季節の彩りと香りは嬉しいものです。偶然の出会いを活かした「ちょっといい自炊」は何も贅沢な食材でなくとも、栄養バランスを底上げしながら間接的に生産者を応援し、アタマとココロを使うこと、そのために脚を使うことにもつながるのではないでしょうか。

以上はほんの一例ですが、「新しい生活様式」を実践して社会全体のリスクを下げながら、日々のくらしを少しずつつくりなおしていこうという時に、「おうちえ」のメッセージたちが何か気づきを提供し、皆様の最初の一歩を後押しできましたら幸いでございます。

(2020年6月2日)