活動レポート


ジェロントロジー産学連携プロジェクト 2024年度 総括会を開催

=ジェロントロジー産学連携プロジェクトの3年間の折り返しの総括としてサロン・アカデミー・共同研究が合同で開催=
2025年3月13日、東京大学高齢社会総合研究機構(IOG)の産学連携活動は中間年度を迎える重要な節目として、今年度の成果と次年度(フェイズ2最終年度)の課題を整理するため、相互交流を目的とした会合が開催されました。
まず、サロンやアカデミーなどの各種イベントの活動報告と2025年度の活動計画案が紹介されました。
研究活動の進展としては、食の在り方研究会とオーラルフレイル予防研究会や今後の研究会を目指す新たな活動についても報告がありました。
また、次年度につながるフレイル予防推進会議とフレイル予防産業振興会(仮称)の動きも紹介されました。
2025年に向けた議論として後半では、飯島勝矢機構長がファシリテーターを務め、2025年の目標と東大IOG産学連携プロジェクトの在り方について活発な議論が行われました。会場参加者とオンライン参加者を合わせて約80名が参加し、次年度の開講式につながる熱心な質疑応答が展開されました。
この会合を通じて、IOGの産学連携活動の現状と今後の方向性や課題が、参加者間で共有され、フェイズの最終年度に向けての具体的な目標設定と行動計画が期待されます。

2024年度<ジェロントロジー産学連携プロジェクト>全体ミーティングを開催

=高齢社会の課題解決を考えるにあたりベースとなる2大政策ついて学び、考える=

IOGの産学連携活動は、高齢社会で誰もが生きがいを感じられる社会を目指しています。2024年の活動を振り返り、2030年・2050年に向けての社会実装を進めています。
今回の全体会は策定メンバーの「高齢社会対策大綱」や「住生活基本法」について直接学び、参加者はこれを自分事として読み解き、具体的な実現方法に向けての討論を11号館HASEKO-KUMA HALLで行いました。
その後の対話は、工学11号館ラウンジでの交流会に引き継がれ、エクシングさまのタブレットによるカラオケにより、さらに連携力が高まり次年度につながる全体会となりました。

ALP(アドバンス・ライフ・プランニング)を活用した高齢者の生活を支える仕組みについて議論

=2024年度第9回目のアカデミーを1月9日に開催しました=

第7回、8回に続き、「金融関連及び法」の3部作の最終章として第9回は40名ほどがハイブリッド形式で議論しました。
今回は、(株)想ひ人の山崎宏氏、日本郵便地方創生推進部の五十嵐拓氏、竹中正博氏、フレイルサポート仁淀川の小松仁視氏より各現場の事例などのレクチャーを受けました。
これを受け、生活支援・相談とプランニング、そしてアドバイザーの役割、本人と伴走するサービス、ACPを表現するツールとその活用など、実行可能なACPや高齢者の生活を支える仕組みについて活発な質疑や議論が交わされたアカデミーとなりました。

高齢者が守りから人生の Well-Being に向けて積極的に取り組む姿勢の変化について議論

=2024年度第8回目のアカデミーを12月19日に開催しました=

前回の「まちづくり」と「金融関連及び法」につづき、今回は「高齢者地域就労」と「金融関連及び法」と地域就労に視点を置いて40名ほどがハイブリッド議論いたしました。
京都府立医科大学の樋山雅美先生より 「臨床心理学の観点から見た「高齢者のウェルビーイング」について」行動心理学的な視点でお話し頂きました。
また、ニッセイ基礎研究所(IOG)の前田展弘様より「シニアの経済環境の実態把握」 について・(株)オースタンスの加藤達也様から「歳を重ねて、楽しみがある人生に」 とシニア生活と消費にかかわる実態など、貴重な情報から現実を学ぶ機会となりました。
以上3つの視点から、後半はウェルビーイング向上という点をもとに『いかに、シニア世代に楽しくお金を使ってもらうことができるか?』 について産業界の視点から活発な質疑や議論が交わされたアカデミーとなりました。

「なぜ、世代間循環が難しいのか」「スムーズな世代間循環を実現するために、何が必要なのか」について徹底議論

=2024年度第7回目のアカデミーを12月3日に開催しました=

秋から冬にうつりゆくキャンパスの中、ハイブリッド開催で45名が「まちづくり」と「金融関連及び法」について議論いたしました。
今回は、今までそれぞれのテーマについて、それぞれの必要性について認識はしているものの実際の行動になかなか結びついていないのが現実であることを受けました。
そして、シニア世代、そして資産等を引きつぐ次世代メンバーに参加いただき、『わかっちゃいるけど、進まない、「高齢社会対策」、どうする?』 として、現状の課題や未来への想いなど、ざっくばらんにお話いただきながら 持続可能な社会を目指して、シニア層の住宅資産、金融資産をどのように次世代に継承していくのかなどを中心に対話されました。

ジェロントロジー産学連携プロジェクト2024<2Days Workshop>開催

=ジェロントロジー産官学で考えるウェルビーイングを実現する社会!をテーマをキャンパス合宿形式で2日間にわたり開催しました=

ジェロントロジー産学連携プロジェクトでは、昨年につづき今年は9月26〜27日に東大本郷キャンパス工学2号館講義室を会場に2Dsy Workshpoをハイブリッドで開催しました。
飯島機構長より開会の後、わたしたちのウェルビーイングとは!を対話体感し参加者それぞれが一緒に考える機会として、NTT 社会情報研究所(Well-being研究プロジェクト):深山篤氏・橋本遼氏より<ウェルビーイングカードをもとに ハイブリッド交流WS>を、同社コミュニケーション科学基礎研究所:渡邊淳司氏より<Social Well-beingに関する実践と探求>の講演受け能動的なセッションでスタートしました。
翌日はIOG田中友規先生より<IOGが目指すウェルビーイングの取組>・菅原育子先生より<いま何故ウェルビーイングなのか>について学びながら、「ウェルビーイングを感じられる社会」を産官学でどう実現するのかを学び・考える機会となりました。
また、両日ともセッション後半は、自社でのウェルビーイングの取り組みや個人の所感なども含め参加者の意見交換。1日目には有志参加の懇親会などもあり、実現するために産学官の役割など活発な討論となり、2日間でのべ100名ほどが共に学び語る刺激の多いWorkshopでした。

ジェロントロジー産学連携プロジェクト 2024年度 前期総括会を開催

=ジェロントロジー産学連携プロジェクトフェイズ2の残りの1年半で何を実現させていくのかについて産学で考える機会として開催=

ジェロントロジー産学連携プロジェクト活動が2023年度から3年間の今年はフェイズ2の折り返しとなり、各研究会の進めているプロジェクトの状況を把握と具体的な活動へと、2024年度の前期総括会を9月12日に東大本郷工学8号702(ライブラリー)とオンラインのハイブリッドで50名ほどが集い開催いたしました。
今回は、「フレイル予防推進会議の活動・食の在り方研究会の活動・高齢者地域就労生涯現役研究会勉強会・金融関連及び法研究準備会・まちづくり標準化研究会」の進捗共有化。
次に辻先生より 「在宅医療」(中央法規出版)の発行・田中友規先生より「東大IOGウェルビーイングの研究」についての紹介と新たな情報インプットの刺激を受けました。
後半は、当プロジェクトからスピンアウトしようと動き出したプロジェクトから未だ構想段階のプロジェクトまで様々な活動状況の中で、「テーマでの課題、解決の方向、重要・必要性は分かっているが、なぜ、国民、企業は解決に動き出さないのか」をテーマに次へ一歩についての総合討論が熱く交わされた総括会となりました。

「ウェルビーイング」を実現するために、今後の老いにどう備えるのか<老い支度>などを議論

=2024年度第6回目のアカデミーを8月27日に開催しました=

台風の影響で天候が気になる週でもありましたが、ハイブリッド開催で40名が「フレイル予防」と「金融関連及び法」について議論いたしました。
今回は「今後の老いにどう備えるのか「=老い支度」について考えると共に「ウェルビーイング」の実現とは? など、高齢社会対策大綱(最新版)の検討などから高齢社会は高齢者だけではなく若者やミドルなど幅広い世代における社会課題と対策を検討する必要性の視点も対話されました。 
また、住宅資産循環を考える「老い支度」や、いつまでも自分らしく活動できる社会を目指すALPの活用などの話題や問題提起もありました。
最後まで自分らしく生きることについてのテーマでは、東京大学名誉教授の樋口 範雄先生より、「身元保証人を求めない」という社会常識を変えてゆく必要性などの印象的なコメントもいただき、備える時代に向けての活発な議論が交わされました。

「8つのテーマの課題解決で実現する社会」何に取り組んで行けば良いのかを参加企業と議論!

=2024年度第1回目のアカデミーを5月14日に開催しました=
当日は、本郷キャンパス工学8号館722教室が満席となりハイブリッド参加も含め60名ほどが集い、今年スタートのアカデミーが開催されました。
最初に機構長の飯島先生より「学実から実学への転換と企業への期待」を、事務局から「8つのテーマから今までの学び」について紹介がありました。
その後、ジェロントロジー産学連携プロジェクト参加企業の方々や学生と、「あるべき社会・あって欲しい社会について、何を求めているのか?やりたい事とは!」などのテーマで対話が進み参加者それぞれの意見が出されました。
後半の「その実現にすべき事はなにか!」についての議論では、ネガティブからハピネスイメージへの転換や介護と予防の領域や視点について、さらには連携事業の重要性など、前半を受けての熱い議論が交わされました。
今回は総合的なセッションとなりましたが、今後8つのテーマを関連づけて掛け合わせによる複合テーマと事業視察などにより実学に向けた、今年度アカデミーのスタートとなりました。

2023年度<ジェロントロジー産学連携プロジェクト>全体ミーティングを開催

=生きがいを実感できる社会を目指して、社会を創るために産業界は何をすべきか=

IOG産学連携活動の狙いは、人生100年時代、誰もが生きがいを実感できる社会を目指し、日本の高齢社会の課題解決を産業界と連携していかに解決するかにあります。
2023年の1年を振り返り次の2年間、そして2025・30年に向けて社会実装に向けてどう取り組むのか、産業界の役割りやめざすところなどをテーマの軸として3月26日、本郷キャンパス2号館のリアル会場とハイブリッドで活発なミーティングを開催しました。
今回は、活き活きシニアの姿を学び・東大IOGの産学連携の活動を共有・「我々は超高齢人口減少社会を明るくできるのか」の総合討論の3部構成。
いつまでも活き活きと活躍している方々の姿を学び、社会を創るために産業界の大きな役割を考える機会ともなりました。
この対話は、場を変えて工学11号館ラウンジでの交流会に引き継がれ、30名ほどの方々によるリアル交流対話により、さらに連携力が高まったミーティングとなりました。

住宅・不動産関係以外の多様な業態企業による「地域活性化」活動への学びと議論!

=「持続可能なまちづくり」の必要性、緊急性から多くの企業が関心をもち、事業に参画する重要性について<アカデミー「まちづくり」前期> で議論しました。=

2023年9月15日のアカデミーは、いま・そして今後郊外住宅団地で起きるうることを総論と各論で提示し、その解決策として国の有識者による「郊外住宅団地再生検討委員会」の中間報告書「民間認証制度によるまちづくり」を活用することを提案した。
また、鉄道会社や大手スーパーなど住宅・不動産関係以外の企業における「まちづくり: 地域活性化」の活動事例を学び、後半は多業種企業の参画することの価値と必要性などについて熱いディスカッションとなりました。

ジェロントロジー産学連携プロジェクト2023<2DaysWorkshop>開催

=ジェロントロジー産学連携で考える近未来(2030年、2040年)の日本の姿と今すべきこと!などをキャンパス合宿形式で2日間にわたり開催しました=

ジェロントロジー産学連携プロジェクトでは、昨年1Day Workshopを開催しましたが、今年は8月24〜25日に東大本郷キャンパス山上会館大会議室を会場に「どうする日本〜世界に前例の無い超高齢人口減少社会を迎えて〜」をテーマに2日間にわたり開催いたしました。
飯島機構長より開会の後、特任講師の孫先生より<東京大学IOGの見る今後の世界>について紹介があり、三菱総合研究所主席研究員の松田智生氏より<プラチナ社会:超高齢社会における“四方よし”> の講演、さらにオックスフォード大学教授の苅谷剛彦氏より<イギリス(オックスフォード)から見たニッポンの超高齢社会:いくつかのパズル>と内外の情報を受け質疑も活発になされました。
2日目は、デンマーク大使館上席政治経済担当官の寺田和弘氏より<高齢社会についてーデンマークの視点から>と日本とのさまざまな違いについての講演を受けるなど多くの刺激情報を受けながらそれぞれにグループワークを行い熱く未来の日本と提供価値>について2日間でのべ100名ほどが、ハイブリットでの対話交流となったWorkshopとなりました。

認知症との「共生社会」の実現に向けた取り組みについて討論!

=認知症になったとしても、尊厳のある暮らしを続けられる新たな仕組みの構築について <アカデミー「金融関連及び法」前期> で議論しました。=

2023年8月1日のアカデミーは、厚労省老健局 認知症総合戦略企画官 尾﨑美弥子氏、東京大学名誉教授(武蔵野大学特任教授)の樋口 範雄先生をお迎えし、尊厳のある暮らしを続けられる新たな仕組みの構築などについてハイブリッドで議論いたしました。
認知症の方が保有する資産は2021年度では約254兆円(うち不動産関連82兆円)と推計され、今年6月には「認知症基本法」が施行されました。
「認知症の人の尊厳を保持し、希望を持って暮らす」ことを目的とし、認知症との「共生社会」の実現に向けた取り組みが期待される中、「共生社会」を実現するためのALP(アドバンス・ライフ・プラン)などについても討論されました。

ジェロントロジー産学連携プロジェクト 2023開講式を開催

=ジェロントロジー産学連携プロジェクトフェイズ2(2023年度~2025年度)がスタート=

ジェロントロジー産学連携プロジェクトでは、4月13日に東大本郷キャンパス工学部11号館講堂を会場に、2025年問題から先の超高齢社会の姿を見据え、<東大IOGの目指すところと産業界とがどのように取り組んで行くのかを考える>をテーマに開講式を開催しました。

今回は、当活動のフェイズ2として本年度から3年間のジェロプロの始まりとして経済産業省ヘルスケア産業課長の橋本泰輔氏の基調講演をスタートにハイブリッド形式で100名近くの参加者による開講式となりました。

機構長の飯島先生より<産学連携プロジェクトの目指す方向>を、<新たな世界への挑戦>について辻先生・樋口先生よりメッセージが語られました。

また、これに応じるように会場から今年新規参加の、かんぽ生命さま・住友商事をはじめさまなど多数の方々より、産学連携に期待することなどが語られ、他多数の参加者との産学連携で実現する未来に向けた熱い対話による新年度のスタートとなりました。

2022年度<ジェロントロジー産学連携プロジェクト>全体ミーティングを開催

=2020年からの3年間及び、2022年度から次へ向かう連携活動へ=

「IOG産学連携活動を通じて3年間でみえてきたこと、そして2025年に向けてめざすところ」をテーマの軸として、100名ほどがハイブリッドで集い、活発な討論会が開催となりました。
3月24日に本郷キャンパス工学2号館を会場に、基調講演を神奈川県 首藤副知事を迎え、高齢社会において産業界に期待することをテーマに連携活動の価値と創造性による未来への期待を語っていただきました。
これを受け、日頃連携交流ベースとなっているサロン活動についてライフデザインより価値感の共有化や共同研究活動のフレイル予防・高齢者就労生きがい支援の紹介から参加企業からの活発な意見や質疑が交わされました。
後半は、これから本格化する活動として、まちづくり標準化・金融関連及び法などの重要性などもハイブリッドミーティングにより、幅広い議論が交わされました。
この熱気は、場を変えて工学11号館ラウンジでの名刺交換会に引き継がれ、30名ほどの方々によるリアル交流対話により、さらに連携力が高まったミーティングとなりました。
2023年度〜3年間の産学官民連携活動が期待されます。

2022年度<ジェロプロアカデミー・共同研究>総括会を開催

=2020年から3年間のフェイズ1と2022年度の単年度を振り返り、次のフェイズ(3年間)への進化を目指す総括会=

「ジェロントロジー産学連携プロジェクト」は年度3年目(フェーズ)の区切りでもあり、次の活動目標を共有化することを目標として各研究会の報告を2023年3月10日にハイブリッドで開催いたしました。
機構長の飯島先生よりフレイル予防の最前線の話題提供と参加企業へメッセージが語られ、これを受ける形で<食のあり方・オーラルフレイル予防・生活支援(情報)システムの研究報告が共同研究企業より紹介されました。
さらに、<まちづくり標準化・高齢者地域就労・金融関連及び法や地域包括ケアシステム・フレイル予防に資するモビリティの在り方 などの研究準備や検討会についての経過やコンセプトなど参加者と共有されました。
最後は、各課題解決の社会実装にむけて:企業、産業界と大学教員との討論など、意見交換も交わされ、次に向けた総括機会となりました。

シンポジウム「令和時代の高齢社会と法のあり方を考える」が開催されました

10月26日、高齢社会総合研究機構と武蔵野大学法学研究所共催のシンポジウム「令和時代の高齢社会と法のあり方を考える」が武蔵野大学1号館で開催されました。
岩田太上智大学教授の司会で、武蔵野大学の池田眞朗副学長、高齢社会総合研究機構の辻哲夫特任教授による主催者挨拶の後、樋口範雄先生(東京大学名誉教授、武蔵野大学教授)と関ふ佐子先生(横浜国立大学教授)の基調講演が行われました。おふたりが高齢者法に関する書籍を上梓されたことを記念して、講演のテーマは「2冊の本の出版に際して」。アメリカ高齢者法執筆の契機や日本の高齢者法の今後について、お話がありました。
引き続き行われたパネルディスカッションでは、GLAFSの税所真也特任助教、日本経済新聞の後藤直久氏、弁護士の外岡潤氏、アプリHINADAN開発者の若宮正子氏、厚労省老健局の栗原正明氏が登壇。それぞれの立場から、超高齢社会の法的・実践的課題について語り合いました。高齢化がどんどん進む中、法律が現状に追い付いていないことに警鐘を鳴らし、今後どのように整備していくかについて考える良いきっかけとなったシンポジウムでした。