参加企業

株式会社ロッテ

「噛むこと」研究やお菓子を通じた高齢者のオーラルフレイル予防・フレイル予防の仕組みづくり

中央研究所
川村 淳 氏

栄養とからだの健康増進調査」(柏スタディ)での測定の様子

「噛むこと」と高齢者の健康のエビデンス構築を目指して

現在、口腔機能の低下が大きな問題となっています。高齢者においては、加齢による口腔の些細な衰え(オーラルフレイル)が、身体的なフレイル、サルコペニア、要介護、死亡のリスク因子となることが分かっています。
オーラルフレイルは歯の本数、咀嚼力、嚥下力、口腔乾燥、滑舌のお口の 5 つの力が低下した状態です。そのうち、歯の本数については歯の補綴などが必要な領域ですが、咀嚼力、嚥下力、滑舌など、口腔の周りの筋肉が大きく影響している項目も存在しています。
菓子であるガムは硬さが変わらず、常に咀嚼運動を行うことができる食品となります。先行研究においても、成人や高齢者において、ガム咀嚼トレーニングを行うことにより咀嚼力や滑舌などの改善がみられた例が存在しています。
そこで、IOG が行っている「栄養とからだの健康増進調査」において、高齢者にガムの咀嚼習慣をヒアリングし、口腔機能、身体機能、認知機能との関係性を調査しました。その結果、週 30 分以上のガム咀嚼習慣のある高齢者はガム咀嚼習慣のない高齢者に比べ、口腔機能が高く、オーラルフレイル有症率が低いことが明らかになりました。また、身体機能、認知機能についても高いことが明らかになりました。
これらの結果は論文へとまとめ、Geriatrics & Gerontology International へと論文として投稿し、2024 年 1 月に掲載されました。また、弊社側からもPR として活用させていただき、実際に 50 社以上の媒体に転載され、広まっております。特に自治体とともに行っている介護予防教室などで市民の皆様への啓発活動を通して、広めていっております。
今後とも、IOG の産学官連携において、「学」がいるからこそできるエビデンスの創出と、「官」がいるからこその啓発の場所と、「産」がいるからこその発信力を組み合わせて、お口の健康の重要性について啓発を行い、健康寿命の延伸や QOL の向上に貢献できればと考えております。

LOTTEオーラルフレイル論文画像01
LOTTEオーラルフレイル論文画像02
LOTTEオーラルフレイル論文画像03

https://www.lotte.co.jp/corporate/