参加企業

サンスター株式会社

オーラルフレイル予防により生きるための原点である「食」を守りたい

研究開発本部
永谷美幸 氏

オーラルフレイルセミナーを実施。

口と健康のエビデンス構築を目指して

当社が初めてIOGの活動に関わったのは2010年のことです。有識者の先生から、東京大が高齢社会の課題解決のための産学連携の取り組みを行っていると聞いたことがきっかけになりました。当社はオーラルケアを核に事業を展開しているメーカーであり、これから企業として成長を持続するためには、高齢者に向けた商品開発と新たなサービスを提供しなければなりません。高齢者の健康や暮らしについて正しく理解し、何を求めているのかを把握するためにIOGの活動に参加しました。さらに、高齢者のお口の健康の重要性に関する新たなエビデンスを構築し、生活の質を高めるのに役立つ商品の開発に繋げることを目指し、2017年より共同研究にも取り組んでいます。
口腔の健康がどのように全身の健康に影響するのかという研究事例は、まだまだ少ないのが現状です。その一方で企業が単独で高齢者の方の口腔と全身のデータを取って解析するのは難しく、行政との連携が欠かせません。自治体や地域住民のみなさんと構築した信頼関係のもとにデータを取得できるのは、IOGがアカデミックな研究機関だからです。さらに、優れた調査研究・統計解析のスキルを持つ研究者の方々から指導を受け、最新の知見に触れられるのも共同研究のメリットだと感じています。
共同研究の成果は一般に公表されるため、事業のために独占するのではなく、口腔の健康の重要性についての啓発につながると考えて取り組んでいます。また、学会で発表したり、専門誌に投稿したりするなど、研究者としての実績を積むことにもつながります。有識者の先生方との交流や異業種の方々との出会いなど、IOGならではの経験も大きな収穫だと思います。

マンガで説くオーラルフレイルの重要性

オーラルフレイルの啓発マンガを制作「マンガでわかるオーラルフレイル」主婦の友社

加齢によるお口の些細な衰えである「オーラルフレイル」の概念がIOGより提唱されましたが、オーラルフレイルの危険性についてお口の状態が全身の健康や加齢による衰えに関連していることを社会全体に浸透させるには、信頼のおける研究機関から、エビデンスと、それに基づいたなどの情報を発信する必要があります。以前、東京大学の主催によるIOGでは、オーラルフレイルに関する有識者会議を主催しが開かれ、知見を持つ先生方と、がエビデンス構築の状況やオーラルフレイル予防を国民運動化し、対策する認知浸透のためには何をすべきかが議論してきました。当社はその会議でも課題となった、一般の方への分かりやすい情報提供に関連して、オーラルフレイルを紹介するマンガ本の企画協力をさせていただきました。得られた最新の知見や情報を発信するため、マンガにして出版したのです。マンガという形式は、高齢者だけではなく、若い人たちにもオーラルフレイルに興味を持ってもらうためには、効果的と考えており、実際マンガという形式を選びました。このマンガ本は非常にわかりやすいと好評で、ある高校では校長先生のメッセージとともに卒業生全員に配布してくださったそうです。こうした啓発活動努力の積み重ねが、オーラルフレイルの認知向上に役立っていると感じています。
高齢者に限らず広く国民の皆さんがオーラルフレイルを自分の問題としてとらえ、予防の取り組みが浸透することは、健康寿命の延伸に繋がります。年齢に関係なく最後まで自分の口で美味しく食べられる。滑活舌よくしゃべって会話を楽しめる。IOG発のエビデンスと当社の商品製品により、それが当たり前になる社会を創るのが私たちの目標です。

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