研究

武里団地フレイル予防プロジェクト

プロジェクト概要

プロジェクト代表者

飯島勝矢

研究概要

  • 令和3年度より実施される春日部市フレイル予防事業について、IOGの研究活動で明らかにされた知見を基に、事業実施にかかる助言、関係者調整の支援を行います。この場合、まちづくりの視点が重要であることから、今後のまちづくりの重要項目であるコミュニティ単位の「生活支援」システムとの連携に留意します。
  • 先進的にフレイル予防事業を展開している自治体について、事業展開の方法、導入前後の効果、今後の展開(ウィズコロナ、アフターコロナの意識等)を整理します。また特に先進的に実施している自治体に対しては個別にヒアリングを行い、現場でのフレイル予防に対する意識や新たに実施する自治体への助言を聞き出します。「生活支援」システムとの連携については、柏プロジェクトの進め方を参考とします。
  • 春日部市において特に高齢化が進んでいる「武里団地」をフィールドに、生活支援システムとフレイル予防事業との関係、フレイル予防事業導入前後の高齢者の健康状態や生活感、地域への愛着、地域の変化等を調査し、フレイル予防事業導入の効果を分析します。

武里団地における試みは、市内における横展開を前提に議論を進めることとなりますが、武里団地と同じ第6圏域の高齢化の著しい一戸建て住宅団地や武里団地と隣接する第6圏域以外の生活圏域との連携などにつき、拠点である武里団地のまちづくりに関わるURも関与する中で、研究を行います。

  • フレイル予防事業を担う積極的な市民の発掘を行うとともに、コロナ禍において急速に普及したICTの活用に注目し、アフターコロナを見据えたこれからのフレイル予防事業(さらには生活支援体制整備事業)への展開につなげます。

研究目的

  • 春日部市の高齢化率は31.0%(令和3年4月1日現在)となっており、全国平均28.4%(令和元年10月1日現在)、埼玉県平均26.2%(令和2年1月1日現在)を上回る早さで進行しています。
  • 特に市内にある「武里団地」では高齢化率49.3%(令和3年4月1日現在)となっています。(※武里団地での75歳以上人口の割合は28.2%、85歳以上人口の割合は7.1%となっています。(いずれも令和3年4月1日現在))
  • 春日部市の要支援・要介護認定率は14.5%(令和元年度)となっており、全国18.5%、埼玉県15.4%と比較して低いものの、新規要支援・要介護認定者の要介護度3以上の分布をみると、春日部市は25.7%となっており、全国19.4%、埼玉県22.2%と比較して高くなっています(第8期春日部市高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画、介護保険事業状況報告年報)。
  • さらに春日部市の認知症高齢者の日常生活自立度について、春日部市は自立度Ⅱ以上59.3%、自立度Ⅲ以上30.0%となっており、全国(自立度Ⅱ以上57.3%、自立度Ⅲ以上23.4%)、埼玉県(自立度Ⅱ以上58.0%、自立度Ⅲ以上26.8%)と比較して高く、認知症の傾向がある高齢者の割合も高くなっています(第8期春日部市高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画、令和元年度要介護認定適正化事業業務分析データ)。
  • 加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大と対策の長期化により、コロナフレイルのリスクを抱えた高齢者も増加しています。
  • このような状況において、高齢者のフレイル予防、介護リスク、認知症リスクへの対応は、いつまでの健康でいきいきと暮らせるまちの実現と持続可能な行政運営に向けて喫緊の課題です。また、コロナ禍によって自粛生活が長期化し、食事の偏り、運動不足、人とのつながりの希薄化によるコロナフレイルのリスクが増大しており、高齢者のフレイル予防を直ちに実施することが極めて重要です。
  • このような春日部市の現状から、フレイル予防研究の最先端を走るIOGの知見をもって、迅速な事業展開を支援する必要があります。特に高齢化が進行している武里団地の状況に注目し、フレイル予防事業に関わる市民の発掘やフレイル予防事業かかるデータ収集、分析を行います。
  • 武里団地におけるフレイル予防の取組の分析結果から、アフターコロナを見据えたフレイル予防事業の展開を検討します。特に現在IOGで研究が進められているICTの活用を念頭に、これからの高齢者のフレイル予防(さらには生活支援体制整備事業)につなげることができる仕組みを検討します。

実施予定期間

2021年 ~ 2022年

パートナー企業・団体

春日部市健康保険部介護保険課、春日部市健康保険部健康課、春日部市総合政策部政策課