参加企業

株式会社フードケア

「カムカム健康プログラム」により豊かな食生活をお届けしたい

開発部
高木麻祐子 氏

「栄養のある食事をしっかり「噛んで」食べ、口の健康を保つこと」をコンセプトとした「カムカム食」の一例

さまざまな企業との出会いで広がる視野

当社は病院・介護施設向けの介護医療食品開発・販売しているメーカーとしてシェアを伸ばしている社員数50名ほどの企業です。飲料にとろみをつける「とろみ調整食品」をはじめ、要介護になって飲み込みが困難な方に向けた商品を中心に扱っています。
以前より、当社は国際科学技術共同研究推進事業 戦略的国際共同研究プログラム(SICORP,JPMJSC1813)の共同研究チームに参加しています。当チームは「カムカム健康プログラム」を開発し、当社はその中でも、栄養を摂りつつしっかり噛むことの重要性をコンセプトとした「カムカム食」の開発に従事してまいりました。
「カムカム健康プログラム」は共同研究チームによる効果検証の結果、高齢者の口腔機能および全身の状態に改善が見られました。この「カムカム健康プログラム」を社会実装するために学会等で情報収集していた際に、フレイル予防の第一人者である飯島先生と出会い、IOGの共同研究に参画するきかっけになりました。
IOGの共同研究には、今まで当社と接点のなかったさまざまな業界の企業が参加しています。それぞれの組織からの出向者と情報交換することで刺激を受け、視野を広げることができました。私たちのビジネスは、B to Bですが、B to Cの事業を展開している企業が多く、一般の消費者に対してどのように商品をPRし販売に繋げるかを学べるのも大きな魅力です。

IOGで得た人脈は大切な財産になる

「カムカム健康プログラム」を社会実装するには、当社のような中小企業単独の取り組みでは限界があります。IOGとの共同研究に参加しなければ、産官学民の連携による自治体での効果検証は実現できません。現在、IOGが監修するフレイルチェックを導入している自治体は全国各地に71カ所あります。プログラムの全国展開を視野に入れて、さまざまな地域での実証実験を計画している段階です。
こうした共同研究とは別に、IOGで企画しているイベントを開催する時に、企業からの出向者が協力してサポートする機会があります。それまでは、他社の人と一つの目的に向かって共同作業することがなかったので、もの作りの取り組み方や思考回路の違う人々と出会えたのは貴重な経験です。何かを作り上げる過程で議論を重ね、課題を乗り越えて構築した人間関係は、共同研究から離れた後も続く大切な財産になっていくでしょう。私はアカデミーにも参加していますが、当社の専門外の分野を学べるのが面白く、大学時代に戻ったような気持ちになります。グループワークで現場の最前線に立つ先生や企業の方々の実体験に基づいて議論を深められるのも、大きな魅力です。
「カムカム健康プログラム」を商品開発に生かして業績に貢献すると共に、フードケアという社名を広く一般の方々に知ってもらいたいと考えています。IOGに参加している企業や自治体などとの連携により、新しい食の提案を通じたフレイル・オーラルフレイル予防への取り組みを広く社会に発信していきたいと考えています。

https://www.food-care.co.jp/