参加企業

キユーピー株式会社

フレイル予防産業構築および食内容・食環境に関するエビデンスの取得

経営推進本部 食と健康推進プロジェクト
内山奈美 氏

店舗で実証実験を行った、フレイル予防イベントの様子

産官学の垣根がないフラットな環境

当社は「おいしさ、やさしさ、ユニークさをもって、世界の食と健康に貢献する」ことを目指しています。2019年に創業100周年を迎え、持続可能な社会の実現への貢献とグループの持続的な成長を達成するための重点課題のトップに健康長寿延伸への貢献をあげ、国民の健康を食生活から支えるという目標を立てました。食と健康というと、どうしても栄養のみにフォーカスしがちになります。しかし、高齢者の健康を守るためにはライフスタイルに寄り添った事業活動を行う必要があります。IOGが提唱する「栄養(食・口腔機能)・運動・社会参加」というフレイル予防の3つの柱に共感して、当社の啓発活動に活用させていただいたことがご縁となり、共同研究に参画することになりました。
IOGの共同研究には産官学の垣根がありません。たとえ業種や立場が異なっても超高齢社会の課題解決という大きな目標に対して、自分たちができることは何かを考え、ニュートラルかつフラットに役割分担をして取り組みます。私はIOGに出向する前に経営企画部で全社の方針や経営計画に関わる仕事をしていました。しかし、一企業が目指す目標とIOGが描く未来図では規模感が違います。社会全体に関わるフレイル予防というテーマのために、省庁や地方自治体などを巻き込みながら、バックキャストでやるべきことを一歩ずつ進めていくプロジェクトの進め方は、社内では経験できません。学ぶべきことがたくさんあります。

事業活動で「世界の食と健康に貢献」する

近年、SDGsへの関心が高まる中で、自分たちの企業活動がどれだけ社会に貢献しているかを正しく認識し、その強みを未来に生かすことが求められています。当社は創業時から低栄養だった日本人の食生活に栄養価の高いマヨネーズを提供するなど、時代に合わせて食を通じて健康に資するために努力を重ねてきました。CSRの一環として収益の一部を社会に還元するべく食育などの活動を行ってきましたが、それだけでは活動のスケールが広がりません。事業活動で社会貢献と収益を両立できれば、もっと大きな規模で「世界の食と健康に貢献」することが可能になります。そのビジョンを具体化するための選択肢の一つが、IOGとの共同研究だったのです。私はさまざまな企業が参加する「食の在り方研究会」の運営を担い、フレイル予防産業を確立すべく議論を重ね、社会実証に取り組んでいます。大手小売企業と連携して作ったフレイル予防の重要性を訴求する売場作りの事例が出来たことは、今後の販促活動を考えるうえで大きなヒントになりました。食の価値は栄養価だけではありません。誰かと一緒に楽しんだり、会話をしたり、食を媒介とした人や社会との繋がりも大切な要素です。共同研究の成果を生かして「愛は食卓にある。」というコーポレートメッセージを事業活動により実現していきたいと思っています。

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