研究

フレイル予防

東大IOGのエビデンスの蓄積と産学連携の先進事例を学び、各社の強みを生かして国民に向けた啓発を強化し、幅広いフレイル予防産業を展開するための方策を探りながら、健康長寿社会の実現を目指します。

全国へのフレイル予防活動

高齢者の大規模健康調査から産まれたエビデンスを基盤として、我々は高齢者のフレイル予防への気づきと自分事化を促すための地域活動「栄養(食・口腔機能)、運動、社会参加の包括的フレイルチェック(以下、フレイルチェック)」を開発した。フレイルチェックは、高齢住民であるフレイルサポーターが担う住民主体活動であり、全国多数の自治体に展開している。それぞれの地域におけるフレイル予防推進の伴走者(フレイルトレーナー)の育成、全国規模のフレイル関連データベースの構築と分析、そして自治体と共同で多種多様なフレイル予防活動を産み出している。

産学官民でのフレイル予防

フレイル予防基礎研究から得たエビデンスを社会に還元するには、行政や住民のみならず民間活力としての産業界の力が欠かせない。我々は産業界の持つ様々な技術シーズや幅広いチャネルを活用フレイル予防に関する知識、気づきの機会や商品・サービスを流通させるモデル構築を目指しながらも、各企業との共同研究も多く走らせている。産官学民連携により、フレイル予防を通じた健康長寿のまちづくりへの参画を目指している。

高齢者の大規模健康調査

健康長寿の実現には、日常生活に大きな支障をきたしていない段階からのフレイル予防が重要である。また、フレイルの状態であれば、然るべき対策により、可逆的な改善も見込める。よって、我々は、高齢者のフレイル対策に資する科学的根拠(エビデンス)を明らかにすべく、主に地域在住高齢者を対象とした大規模健康研究を仕掛けてきた。千葉県柏市におけるコホート研究(通称、柏スタディ)はその最たる研究であり、数百に昇る調査項目を計測、経時的にその変化を追うことで様々な新知見を発進してきた。さらに、高齢者住民全員を対象とした悉皆調査データも活用することで、環境要因も含めた多角的な提案も行っている。これら基盤研究を通じて産み出されたエビデンスを実社会へと橋渡ししていくのが我々の使命である。