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日本生命倫理学会において、「高齢社会とAI・コミュニケーションロボット」に関するワークショップを開催しました

2023年12月10日(日)、日本生命倫理学会が明治学院大学にて開催され、高齢社会総合研究機構のメンバー数名で、「高齢社会におけるAI・コミュニケーションロボットの活用における倫理的側面~本人の自己決定権・プライバシー保護に焦点をあてて」と題するワークショップを行いました。

セッションオーガナイザーは、畑中綾子(当機構客員研究員・尚美学園大学)で、将来、高齢介護において高齢者を見守る技術や、コミュニケーション相手となるロボットやAIが導入されることにより、どのような倫理的課題があるかについて問題提起を行いました。
その後、生活支援工学の立場から二瓶美里(当機構教員・東京大学大学院)より、ロボットが日常生活に入ったときに実際にあった実験事例が紹介され、社会心理学の視点から菅原育子(当機構客員研究員・西武文理大学)より、本来高齢者の自己決定は家族や介護者も巻き込んだ共同意思決定ではないかとの指摘がありました。また、人間拡張工学の立場から檜山敦(当機構教員・一橋大学大学院)より、AIが本人の都合を超え、一般的なWell-beingを諭してくれる存在であることが望ましいのではないかとの指摘がありました。

フロアディスカッションでは、枯れていくことを許容し支援していく技術利用への提言や、AIにより格差社会が拡大していくことへの懸念、工学研究はもちろん社会においての倫理的議論の必要性などについて活発な議論がなされました。