「高齢社会と法ワークショップ2025March」(William Sage教授講演会)」が開催されました
2025年3月6日(木)、アメリカの医療政策に関する著名な学者であるビル・セイジ教授が来日され、本機構にて公開ワークショップを開催しました。
第一講演の高齢社会における医療安全の問題では、アメリカの不法行為リステイトメントと、医療事故における法的責任追及の話題でした。アメリカにおいて医療事故で医師に対し刑事責任が問われることは稀ですが、医療者が患者や遺族に対し事故の経緯を十分開示していない場合に、刑事訴追が情報開示への役割を果たすことについて言及されました。
第二講演は、コロナ禍で見えたアメリカの医療資源配分の話題でした。公正を目指したアメリカの医療政策は、コロナ禍において社会的失敗を経験したとお話されました。
質疑応答ではAIと医療の付き合い方についての質問もありました。医師と法律家のダブルライセンスをもつセージ先生からは、ご自身が医師を志したときと、これから医師になろうとする医学生との間で、医師という仕事への役割・期待感には大きな違いがあり、そこにAIが関係してくることは間違いないというお話もありました。
休憩を挟みながらも6時間以上の講演会でしたが、話題豊富なセージ先生を中心に話は尽きることはありませんでした。
記:客員研究員 畑中綾子
